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グレー産業への煮え切らない制度たち

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芸能プロダクション社長が登録時の契約書を行使してダルトビデオ撮影に派遣したらしく、今回は検察までしっかりと動く流れになっているのが珍しい。サンケイニュースは図表までつけて違法箇所を示すようなことを記事にしているが、実際、この事件で問題何が違法で法的に何の問題があったのか理解が難しく、AVに女性を向かわせたことのみが世論に訴求され、なんとなく芸能プロダクション社長を黒幕に仕立て上げる構図が成立している。それは、アダルトビデオそのものの存在と、それに供する女性の苦悩の様子が描写され、NPOや権利保護団体の女性幹部のアダルト業界の健全化を訴える形で終わっていく。まあ、この手の事件が起こると定番な展開。

この問題が違法とされる部分は、アダルトビデオの現場が「公衆道徳上有害な業務」にあたり、それを労働者派遣法が認めていないことにあるらしい。とすれば、芸能プロダクションからの派遣が「労働者派遣法による派遣」であったのか?アダルトビデオの現場が公衆道徳上有害な業務」にあたるのか?突っ込みどころがある話だが、このあたりを判例から読み解くアプローチもあるようで、過去の判例では派遣された女性に有利なように結論が下されているらしい。

しかしながら、今回の芸能プロダクション社長の一件は、派遣法の「公衆道徳上有害な業務」から違法性を議論している段階にあり、アダルトビデオの撮影・販売・配信・視聴へ違法のメスを入れていないことろに疑問を感じざるを得ない。実際に、法律(派遣法)で公衆道徳上有害」とネガティブな定義をしながらも、その存在について根本的な規制を行う法律がないために規制に空回りしている。諸外国のように書籍やインターネットの配信でアダルトコンテンツへの規制を強化すれば多少改善すると思えるが、一方で表現の自由にかかわる権利との整合が取れなくなることもあり、非常にバランスが難しいともされてきた。有名な裸婦絵画なんかも規制しないといけなくなる的なお話。

ニーズ・お金が集まることろには、いろんな脱法的な手法を使ってサービスが提供されるわけで、それを1国の国家権力で規制していく手法はもはや限界がある。あるいは、EUやTPPのような広域連合が規制を標準化していくことに成功する可能性もあるが、少なくとも向こう10年はアダルト業界が合法なていで存続していくことは避けられないのだと思う。女性が意図せず被害をこうむるとしたら、それは避けるべき事態なのだが、今回の事案に似た事件は引き続き起こりつづけるだろうし、水面下ではたくさん起こっている。すべてに整合を取って一気に打開させるのは大変難しく、いっそSFのようにアンドロイドやロボットに性産業・AV女優の役割をさせることを期待するしかないのかも知れないとさえ思える。